麦粒腫とは?!
まぶた(眼瞼)の一部に化膿がおきる病気で、俗に「ものもらい」「めばちこ」と呼ばれているものです。
麦粒腫の症状
黄色ブドウ球菌などの細菌感染で起こることが多いです。
特に夏期など疲労によって抵抗力が弱くなったり、全身状態が低下している場合に感染しやすくなります。
《外麦粒腫》 汗を出す腺や、まつげの毛根に感染。
《内麦粒腫》 マイボーム腺(上下のまぶたの最先端に口を開いていて、目の表面に油を出しているところ)の感染。
麦粒腫の治療
●初期:
初めはまぶたが赤く腫れ、しばしば軽度の痛みや痒みを伴います。
●炎症期:
まぶたの赤み・腫れ・痛みが強くなります。
一ヶ所で最も炎症が活発になり、白く化膿した所(膿点)が出てきます。
さらに化膿が進むと、腫れた部分が自然に破れて膿が出ることがあります。
●緩解期:
自然につぶれ膿が出てしまえば、その後症状は回復に向かいます。
抗生物質の点眼や眼軟膏を塗ったりします。
炎症が強い時には、内服薬(抗生物質・消炎鎮痛剤など)を投与します。
ある程度の化膿が進んでしまった場合には、小さく切開して膿を出すこともあります。
霰粒腫とは?!
まぶた(眼瞼)にあるマイボーム腺の出口が詰まることにより、その中に分泌物が溜まり慢性的な炎症が起きる結果、肉芽腫という“しこり”ができる病気です。
麦粒腫と異なり、細菌感染を伴わない無菌性の炎症です。
霰粒腫の症状
症状は、眼瞼の腫れや異物感です。典型例では痛みも赤みもなく、まぶたにコロコロとした“しこり”を触れます。
霰粒腫の治療
“しこり”が小さければ、自然に吸収されることもあります。
大きい場合は、副腎皮質ステロイド薬を“しこり”に注射したり、手術で摘出したりする必要があります。 高齢者では悪性腫瘍との鑑別が必要であることもあり、注意が必要です。
急性(炎症)霧粒腫とは?!
霰粒腫が形成される過程でマイボーム腺が詰まり、その中に分泌物が溜まり細菌感染も伴うものです。
急性(炎症)霧粒腫の症状
通常の霰粒腫よりも腫れ、赤み、痛みが強いのが特徴です。に炎症を伴った場合は、内麦粒腫と厳密に見分けることは難しいです。
急性(炎症)霧粒腫の治療
麦粒腫と同様、まず抗生物質の点眼や眼軟膏の塗布、炎症が強い時には、内服薬(抗生物質・消炎鎮痛剤など)を投与し、消炎を図ります。
保存的な治療で改善傾向が得られなければ手術を行うことになります。
逆まつ毛(さかまつげ)とは?
まつ毛が、何らかの原因によって眼球に向いて生えている状態のこと。
逆まつげの原因
まぶたには問題がないのですが、毛根からのまつ毛の生え方が不規則で角膜(黒目)の方に向いています。
眼瞼縁炎などまつ毛の毛根部の炎症によって引き起こされることが多く、角膜に当たるまつ毛の数は1本だけの場合から多数の場合まで様々です。
まぶたには問題がないのですが、毛根からのまつ毛の生え方が不規則で角膜(黒目)の方に向いています。
眼瞼縁炎などまつ毛の毛根部の炎症によって引き起こされることが多く、角膜に当たるまつ毛の数は1本だけの場合から多数の場合まで様々です。
数本の睫毛が角膜に当たり、キズを認めます。
まぶたの縁が、カールして眼球側にまくれ込んでしまい、ひと並びのまつ毛全体が角膜方向に向くので、多くのまつ毛が角膜に当たります。
先天性
皮膚や皮下脂肪が過剰なためまぶたが膨らみ、まつ毛の生える方向が内向きになることが多いです。
老人性
老化でまぶたの皮膚がたるんだり、皮下の筋肉の筋力低下などによるものです。
下のまぶたとまつ毛全体が眼球側にまくれ込んでいます。
逆まつげの症状
乳幼児
①瞬目過剰(しょっちゅうパチパチとまばたきが異常に多い)、
②羞明(光を異常にまぶしがり目を細める)、
③結膜充血(目が赤い)、
④眼脂、
⑤流涙(ウルウルとした涙目)など。
記の症状に加えて
小児・成人
①異物感(ゴロゴロした感じ)、
②痛みなど。
逆まつげの治療
《睫毛乱生症》
まつ毛を抜くと一時的に症状は改善しますが、2~3週間もするとまつ毛がまた生えて来るので同じ症状を繰り返します。抜く本数が少なくても、何度も繰り返せば角膜や結膜の炎症を引き起こしてくる場合もあります。症状が強い際には手術が必要で、睫毛電気分解(まつ毛の毛根を電気の針で焼く)や眼瞼内反症の手術に準じた手術などが行われます。
《眼瞼内反症》
先天性
成長とともに1歳前後で自然に治ることが多いので、それまでは抗生剤の点眼や角膜保護剤などで様子をみるのが普通です。3歳頃まで様子を見て治らない場合、症状が強かったり、角膜の乱視が強くなり視力への影響が心配される際には手術を考えます。
老人性
まつ毛を抜くと一時的に症状は改善しますが、またまつ毛が生えると同じことの繰り返しになります。また、まつ毛を抜く際の苦痛も決して軽くはありません。症状が強い際には、手術して治すほうが効果的です。
◎いずれの病気の場合にも、手術を希望される際には、眼瞼専門の医療機関へご紹介を致しております。
目が小さくなってきた?!
なんて感じることはないですか?「年だから仕方がない」と諦めておられる方も多いかもしれません。今回は、加齢が原因のまぶたの病気を2つご紹介させて頂きます。
眼瞼下垂とは?!
眼瞼下垂とは、目を開いたときに上眼瞼縁(上まぶたの端)が正常の位置、つまり角膜(黒目)の上方が少し隠れる高さより下がっている状態をいいます。簡単に言うと、上のまぶたが下がってくる病気です。
眼瞼下垂の原因
加齢により眼瞼挙筋と瞼板や皮膚との間の結合が緩んで起こるもので、挙筋機能(まぶたを上げ下げする筋肉の機能)は良好なことがほとんどです。
眼瞼下垂の症状
眉を使ってまぶたを持ち上げようとするので、①肩こり、②頭痛、③首が痛い、④まぶたが重い、⑤目の奥が痛い、⑥疲れ目などの症状が現れます。外見的には、①額のしわが深くなる、②二重まぶたの方は二重の幅が広くなる、③目の上が落ち窪む、④見えにくいのであごを上げるなどがあります。
眼瞼下垂の治療
治療は手術ですが、ゆるんだ眼瞼挙筋と周囲組織の結合を再構築するように縫合する手技が選択され、回復が見込めます。
眼瞼皮膚弛緩症とは?!
眼瞼挙筋の異常はなく、加齢や顔面神経麻痺後によりまぶたの皮膚が緩んで下がってきた状態です。
眼瞼皮膚弛緩症の症状
緩んで下がってきたまぶたの皮膚はまつげの上にのしかかってくるために逆さまつげの状態となり、黒目に傷を作り異物感・充血・流涙などの症状が出ます。また、下がったまぶたの皮膚が視野に影響します。
眼瞼皮膚弛緩症の治療
余った眼瞼皮膚を切除することで上方の視野が広がり、逆さまつげや黒目の傷などが改善できます。