クレドとは、ラテン語で「信条」「理念」「志」「約束」を表す言葉です。
リッツ・カールトン・ホテルでは創業当時、「このホテルは、お客様や従業員にとってどんな存在であるべきか。そのために私たちは何をすべきか」を徹底的に話し合ったといいます。その内容を小さなカードにまとめたものが、クレドカード。理念や使命、サービス哲学が書かれていて、従業員はいつも身に着けています。表紙には、「リッツ・カールトン・ホテルは、お客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています」と掲げられています。
仕事観
私たちは、患者様とそのご家族、スタッフに貢献し満足を与えるために働きます。
誰かのためになることが自分の喜びになります。
向上心、スキルアップ
私たちは、進歩する医療と患者様のニーズに応えるため、目標を持ってスキルアップをします。
現状に満足せず向上し続けることで医院の成長にも繋げます。
イキイキ輝く
私たちは、常にポジティブな姿勢で自主的に仕事に取り組みます。
「失敗は自分自身が成長できるチャンス」と考え、次へのステップアップのための糧とし、楽しみながら仕事をしていきます。
感謝の気持ち「ありがとう」
私たちは、常に感謝の気持ちを忘れず、患者様・スタッフ間で「ありがとう」の言葉を惜しみなく素直に贈り合える医院を目指します。
笑顔・挨拶・気持ちの良い対応
私たちは、どんな時でも患者様を笑顔でお出迎えし、スタッフや患者様とのアイコンタクト・挨拶を積極的に交わし、明るい言葉掛けをします。 お帰りの際には、ラストアイコンタクトを大切にします。笑顔で明るい医院を目指すためにハキハキ・テキパキと気持ちの良い応対を心がけます。
患者様目線
私たちは、常に患者様目線に立ち、「患者様が今なにを求めていらっしゃるか」を考えます。
患者様の不満や不安な気持ちが柔らぐように惜しみない努力をします。
患者様とのコミュニケーション
私たちは、どんな小さなことでも話しやすい雰囲気を作り、患者様の思い・考えに耳を傾け共感することで信頼関係を築いていきます。
仲間とのチームワーク
私たちは、大切な仲間を信頼し、思いやりと助け合う心を持ちます。
相手の立場になり、お互いの意思を尊重し合える関係を目指します。
クレドは何で必要なん?!
なぜ必要か。それは、スタッフ全員が、同じ方向を向くことでぶれない「軸」を確立するためです。 自分たちのビジョンとミッションをより解りやすく納得しやすい言葉でスタッフ全員に伝えるにはどうしたらいいかと考えたときに、 こうしたカード形式のクレドが出来上がったと言われています。
クレドは、社訓でもマニュアルでもない!!
一般的に、クレドよりも社訓の方が知名度は高いと思います。どこが違うのでしょうか?! 立派な社訓を持っている会社でも、その社訓を額に入れて飾るとか、入社式などの特別なイベントのときだけに読み上げるくらいではないでしょうか。
一方クレドは、従業員が本当に心から納得できるまで何度も何度も繰り返し読みます。頭で理解しているというレベルではないのです。つまり、両者の違いは、従業員への浸透度の違いです。
素晴らしい社訓を持っていても、従業員が自分のものとして受け止めて日々の業務に生かしていなければ何の役にも立ちません。
また、マニュアルが「頭」で理解させて守らせるルールであるのに対し、クレドは「心」で納得して自ら実践するものです。
ホスピタリティを提供する医療機関
ホテルとホスピタルは語源が同じだそうです。リッツの前・日本支社長である高野登氏は、「医療施設は、単に医療技術を提供するためだけでなく、ホスピタリティ(思いやり・親切心・心からのおもてなし)を提供するサービスの担い手でもあるべき」と提唱されています。ホスピタリティを提供するため、また“チーム梶川”の活性化のためにもやはりクレドは必須と考え、本年年明け早々からその構想を練り、平成23年12月3日(土)にやっとお披露目会を催すことが出来ました。
こだわりの簡単な文章
クレドカードをご覧になっていただければお解りになると思いますが、とても簡単な文章です。でも、この文章に至るまでには本当に多くの時間がかかっています。 ミーティングの時間だけでなく、担当スタッフには自宅に持ち帰って文章を起こして貰ったりもしました。クレド作成委員会(俗称:ばる~ん)のメンバー一人ひとりが、「医院の理念」や「理想の医院像」について真剣に考え、一言一言にかなりこだわりや思いを込めて作っています。
浸透・定着という大きな課題
信条や理念というものは、印刷して「はい、出来ましたよ」と言って手渡すだけでスタッフみんなに浸透・定着するというものではありません。解り易い言葉で書かれたホスピタリティの精神をいつでも持ち歩いて読み返せる小さなカードに落とし込んだのがクレドカードです。この信条や理念をスタッフが自分のものとしなければ絵に描いた餅となり、単に作っただけで終わってしまいます。信条や理念が単なるお飾りになったのでは、組織の成長なんて望めるはずがありません。つまり、クレドを作成すること自体が目的ではなく、最終的な文面に至るまでのプロセスも非常に大切ですし、このクレドをどのように浸透・定着させるのかという最も難しい課題があります。
継続は力なり
リッツ・カールトン・ホテルでは、毎日の朝礼で全世界の3万人近い従業員がクレドについてディスカッションし、それを何十年もコツコツと続けることで、「継続」を力としていく仕組みが生まれました。
私たちは、“チーム梶川”クレドを掲げ新たなステージに立ったところです。クレドを自分のものとするまでには、相当な時間を費やすと思いますが、チームのメンバーと一緒に成長し続けたいと思います。